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環境にやさしいバスが目黒の街を行く!

東急バスの山口さん(左)と夘月さん(右)
東急バスの山口さん(左)と夘月さん(右)

2050年、ゼロカーボンへ

 近年、地球温暖化の進行により世界規模で気象災害が頻発し、多くの国で2050年までにCO₂など温室効果ガスの排出量ゼロを目標としています。日本でも地球温暖化対策推進法で2050年までの脱炭素社会の実現を明記、目黒区は「2050年のゼロカーボンシティの実現」を表明しています。

 

私たちが生活の中で移動手段として利用している乗用車においても、CO₂排出量削減への関心が高まり、電気自動車や次世代燃料の開発が進んでいます。 身近な公共交通機関であるバスにおいても、環境に配慮した車両の導入が始まっており、街の中でもEVバス(電気バス)を見かけるようになりました。そこで区内のバスを運行している東急バス目黒営業所を訪ねて話を聞かせてもらいました。

バイオ燃料で走行するバス
バイオ燃料で走行するバス

東急バスは、私たちの身近な鉄道やスーパーなど、生活に密着したさまざまな事業を行う「東急グループ」の会社です。東急グループでは、脱炭素・循環型社会の実現に向けた「環境ビジョン2030」を策定し、2030年までにCO₂排出量を2019年度比で46.2%削減、2050年までに実質ゼロを目指すこととしています。

 

同社のサステナブル推進部の夘月さんは、バス事業では車両が使用する化石燃料を減らすことが重要と言います。

 

「東急バスで排出するCO₂のほとんどが、車両が走行する際に排出されるCO₂です。そのため環境負荷の少ないハイブリッドバス、EVバス(電気バス)、燃料電池バスの導入やバイオ燃料(生物資源を原料とする燃料)を導入するなど、CO₂排出量の削減を進めています」

CO₂排出ゼロでクリーンなEVバス

さんまバスもEVバス
さんまバスもEVバス
EVバスの運転席
EVバスの運転席
営業所に設置された充電設備
営業所に設置された充電設備

 

実際にバスを運転している山口さんに話を伺いました。

「EVバスは電気を使用するので、走行中は排気ガスもCO₂も排出しません。騒音、振動も少ないので乗り心地も良いです。回生ブレーキで省エネにもなり、今後導入が進むのではないでしょうか。課題としては、車庫内に充電設備が必要になり、設置場所を取られてしまうことです」

 

現在、東急バスが所有するバスは約900台ですが、EVバスを導入しているのは都内の6営業所で、計14台だそうです。目黒区が運行している東部地区地域交通バス(さんまバス)も目黒営業所のEVバスで運行しています。

 

目黒営業所には2台の燃料電池バスが導入されています
目黒営業所には2台の燃料電池バスが導入されています

その他、燃料電池バス「SORA」は水素と酸素の化学反応によって発電する電気で走行するバスで、走行中のCO₂排出量はゼロ。

運転がしやすいため、運転士さんに評判がよく、走行中も静かで乗り心地もよいため、お客さまにも喜ばれているそうです。

 

東急バスは2050年の目標達成に向けてさまざまな取り組みを進めているので、今後環境にやさしいバスの数は増えると思われます。車体に、EVバスは“Electric  Bus”、燃料電池バスは“H₂水素”と表示されているので、街中で脱炭素に貢献しているバスを見つけてみましょう!