· 

バックパックひとつで半年暮らす巡礼の旅

 スペインのサンティアゴ巡礼で知り合った友人が奥様と日本へやってきた。その二人、荷物はそれぞれたったひとつのバックパック。彼らはこれから四国巡礼、熊野古道、そして京都や奈良などの観光地へも立ち寄り、日本を離れて韓国、マレーシア、タイ、シンガポールなどアジアをぐるりとまわり半年以上かけてスペインへ戻るという。

りゅっくさっく
サンティアゴ巡礼の目印はホタテ貝、これをつけて巡礼します
峠を下る
峠を下る巡礼者

 巡礼では通常男性が30~50ℓ、女性は30~40ℓサイズが一般的。中身といえば、靴下2足、下着2組、ズボン1着、フリース、レインスーツ、寝袋、帽子、サンダル、洗面セット、洗濯バサミ、ひも、ビニールシート、化粧品、筆記用具、手袋、救急セット、スパッツ、タオル、カメラと充電器、携帯電話、傘、ナイロン袋、安全ピン、懐中電灯などが一般的。これで800キロの道のりを約1か月ちょっとかけて歩く。

 

 そこで感じたのは半年暮らすのに必要なものはこのバックパックひとつの中に収まるということ。いま、わが家の中には衣服がびっしりとタンスに詰まっている。本当にこんなに必要なのだろうかと改めて思った。

 

 スペインのサンティアゴ巡礼とは自分を捨てる旅ともいわれて、一般的にはフランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから約800キロを歩き、目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラへ到着したのち、スペイン北西部にあるフィステーラという最果ての地でこれまで自分が使ってきた身ぐるみ一切を焼き払い海に捨て、海で身体を清め、新たに自分を見直し再出発するという。

目的地
スフィニステーラは巡礼の最終地 これまで巡礼で着用していた衣服を燃やして身を清めます 
ひとつで
このバッグひとつで人生を楽しめることを知りました

日常の暮らしの中でいかに必要のないモノや衣類の多いこと、本当に必要なものは何かを教えてくれた巡礼の旅だった。

ecoライフライター 田中 実