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Z世代が地球を救う!? フードロス体験型イベント「限界食堂」

11月2日に開催。食材はFOOD&COMPANYが提供

学生だけでなく、近隣住民も訪れていました


大学生のお財布にも環境にも優しい「もったいない鍋」

 

東京科学大学・大岡山キャンパスで開催された学園祭「工大祭」で、Earth hacks株式会社が出展したフードロス体験型イベント「限界(ギリギリ)食堂」に参加しました。ここでは、賞味期限ぎりぎりの食材や規格外野菜から3つ選び、100円で「もったいない鍋」を楽しめます。おいしく食べながら、フードロス削減が脱炭素につながることを学べるユニークな企画です。

 

大学生を中心としたZ世代はフードロスを問題視している一方で、フードロスがCO₂排出に影響することを知らない人が半数程度いるそうです(※1)。会場内にはフードロス問題やデカボスコア(後述)に関するパネルが展示されており、脱炭素の知識が得られるようになっていました。

 

Z世代ではない私も、混み合う学園祭の中でもゆっくりと座っておいしい鍋を食べることができた上に、フードロスを減らす生活が脱炭素につながることを意識することができました。

 

(※1)Earth hacks株式会社 プレスリリース「Z世代が地球を救う!? フードロス体験型イベント『限界食堂』」(2025年10月16日発表)より引用

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000106.000122970.html

 

「もったいない鍋」を提供するキッチンカー
「もったいない鍋」を提供するキッチンカー
用意された食材から3つを選んでオーダー
用意された食材から3つを選んでオーダー
会場内で脱炭素を学べる仕掛け
会場内で脱炭素を学べる仕掛け
100円で身も心も温まる「もったいない鍋」
100円で身も心も温まる「もったいない鍋」

2050年問題に直面するZ世代

東京工業大学卒で目黒区在住の関根澄人さん
東京工業大学卒で目黒区在住の関根澄人さん

しかし、このままでは「工大祭で鍋を食べて環境問題も学べたのでよかったのかな」くらいで終わってしまうので、改めて同社 CEO の関根澄人さんにお話を伺いました。

 

Earth hacksは生活者を主役にし、「脱炭素化した方が商品が売れる。商品が売れるから脱炭素化が進む」の好循環を目指す事業を行っています。関根さんは生活者の中でもZ世代を重視していると言います。

 

「彼らは2050年問題に直面する世代で、サステナビリティへの関心が高く、情報発信力も強い。だからこそ、彼らに『自分事』として環境問題を捉えてもらうことが重要です」

 

同社が主催する「デカボチャレンジインターンシップ」は、企業と学生が持続可能な社会の実現に向けて新規事業を共創するコンテスト企画で、100名の募集に対して5,000人の学生が応募する人気イベントになっています。

 

 

脱炭素(デカボ)を見える化した「デカボスコア」

「デカボスコア」は、従来の素材や手法を用いたサービスや商品と比較することでCO₂排出量の削減率をスコア化したもの
「デカボスコア」は、従来の素材や手法を用いたサービスや商品と比較することでCO₂排出量の削減率をスコア化したもの

 

Earth hacksが手掛ける「デカボスコア」は、従来品と比較したCO₂排出量(※2)の削減率を数値化し、商品・サービスの脱炭素貢献度をわかりやすく示す独自指標です。これにより、消費者は環境に良い選択をしやすくなります。デカボスコアを活用して、商品をブランディング化して好循環を生み出している例もあるそうです。

 (※2)CO2排出量とはCO2e(温室効果ガス相当量)を指します。

 

「例えば今治タオルは『質の良いタオル』という認識に加え、デカボスコアを付与することで『環境にも良い』という新しい価値が生まれました。出産祝いに『この子の未来につながるもの』として選ばれるケースも増えているそうです」

 

しかし数字だけでは左脳的な理解に留まるため、右脳への働きかけも欠かせないと関根さんは強調します。

 

「だからこそ右脳に働きかける「楽しい」仕掛が必要です。限界食堂を例に挙げると、おいしい・お得と感じながら、結果的に環境貢献を学べます。まずは『欲望の入口』に訴えかけることが大切です」との言葉に、「おおっ!感動!!」と激しくうなずきました。

 

私は「何事もやるには、楽しくなければ続かない、環境保全活動もそうだろう」(※3)と考えていましたが、関根さんのお話には、これまでの自分の考え方の一歩進んだ考え方がありました。

 

 


 

 

※3)私の座右の銘「真剣にやれよ 仕事じゃねえんだぞ」は、目黒観光まちづくり協会名誉会長の森田一義氏(タモリさん)の名言と言われています。