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私の一冊「一日江戸人」江戸の町へタイムスリップ

実践わたし流!! 投稿者:ecoライフライター せいめいくん

 

歳を重ねると不思議と、時代劇ドラマ、小説、古典落語などが好きになってきます。中でも銭形平次や八っつぁんクマさんが活躍する江戸時代はとても親近感があり、何気ない毎日を肩の力を抜いて軽やかにあるがまま過ごす理想の生活のように感じさせられます。

 

最近は江戸時代に興味を持つ方が多いようで、この時代の社会・生活・文化などを解説した書籍も多く発行されています。そのような江戸時代のことを解説した書籍の名作が「杉浦日向子著・一日江戸人」だと思います。

 

著者は江戸風俗研究家で以前、NHKの「コメディーお江戸でござる」という番組の解説をされていたのでご存じの方も多いのではと思います。絵もお上手でこの本の挿絵もご自分で描かれています。

内容は柔らかめで「入門編」から始まり、「上級編」まで、さまざまな角度から面白く江戸の人々のことを学ぶことができ、読み進めるに従い「江戸人」度がアップして自分がまるで長屋の住人になり、江戸の町を歩き回るような気がしてきます。

読んで感じるのは、江戸人たちは、物もお金もない状況でもさまざまな工夫をして、周りの人々と助け合いながら楽しく活気ある生活を送っていたのだなあということです。

「一日江戸人」 杉浦日向子(著) 新潮社
「大江戸リサイクル事情」 石川 英輔著(著) 講談社


現代のような便利さはありませんが、古いものを直したり、リサイクル、リメイクして最後まで使い切ります。食べ物も原則近隣の産物で食べた結果としての排せつ物がそのまま肥料となり次の食べ物につながる、究極の再生可能生活。まさに今求められているエコロジカルな生活をそのままごく自然に実践しています!

そんな中でも趣味に夢中になったり、ファッションや娯楽などにこだわりを持った江戸人たち、粋ですね。

作者は最初のページで「多くを望まなけりゃ、結構のんきに暮らせる」と言っていますが、「金は天下の回りもの、今日がだめなら明日がある」。小さな問題にあくせくし、ストレスを抱える現代の私たちにこそ「江戸人」の暮らし方がチョッピリ必要なのではないでしょうか。すべてを真似はできませんが、取り入れるべき生活の知恵がたくさんあります。

 

なお、この本を読んで江戸時代のリサイクルに興味を待たれた方は「石川 英輔著・大江戸リサイクル事情」もお勧めします。