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私の一冊「一日一センチの改革」ゴミゼロへの挑戦

実践!わたし流!!  投稿者:ecoライフライターSHIBATAさん

「一日一センチの改革」著:鈴木武 出版:到知出版社

定価:1650円(税込)Amazonでも高評価、目黒区エコプラザ 図書コーナーで借りられます。


目黒区エコプラザの図書コーナーでお借りした「一日一センチの改革」。著者の鈴木武さんは、日本を代表する企業である松下電器(現パナソニック)に勤務されていました。53歳で社内のゴミの資源化担当になると、実現不可能に思えるゴミゼロ運動に取り組みます。社内で最初に取り組んだ紙ごみの資源化では、これまで丸めて捨てられていた紙くずを資源化するため、分別ボックスを設置。ここで鈴木さんは、『分別ボックスを床に直接置くのではなく、高さ1mくらいのテーブルに載せてみたら、皆が分別してくれるようになった。名刺が机の上にあれば大事なもの、床に落ちていたら紙くずに見える。置かれている高さによってごみにも大事なものにもなりうる』と置き場所を工夫。高さを変えるだけで見え方をがらりと変え、紙くずを資源化していきます。

また「社員食堂から排出される残飯は、近所の農家にたい肥としてプレゼント」「できた野菜を農家の人が持ってくると、それを上司にプレゼント」相乗効果によってさらにリサイクルが進む好循環を生み出していきます。この他にも、本書に書かれた周囲の人たちの考え方を徐々に変えていくアイディアの数々は、目からウロコの連続。鈴木さんが一人で始めたごみの資源化の取り組みは、松下電器全グループで行われるようになり、ごみの98%資源化を達成したのです。

定年退職後に取り組んだ街の清掃活動にもこの発想を生かし、ごみ集積場や自動販売機周辺のごみ散乱を防いでいきます。その「技」に、なるほどと大きく頷いてしまいました。鈴木さん、ご存知の方も多いと思いますが、目黒区にお住いの方でエコライフめぐろ推進協会の会員でもあるそうで、身近な方でした。