自然との繋がりを探しに

「ビオトープ」というほんわかとした⾳の響きに誘われ、池尻⼤橋からほど近い東⼭公園拡張部にある「ビオトープの⼈⼯池」に⾒学に⾏ってきました。ビオトープとは「⽣き物が暮らせる場所」の意味♪ ⼀⾒ただの⼩さな池に⾒えますが、そこには⼈の⼿によって⽣態系が復元され、動植物が⽣息できるような空間にした⾃然のオアシスが広がっていました。そんな⽣き物たちの憩いの場である東⼭公園拡張部のビオトープを拠点に動植物が住みやすい環境づくりをしているのが、⽬黒区のボランティア団体の⽬黒サンクチュアリーズです。


ビオトープの改修工事と水中生物たちの引っ越し
多くの⽣き物のゆりかごになっていたビオトープですが、劣化によりビオトープの⼈⼯池から⽔漏れするようになり、⼈⼯池を住処とするメダカやヌマエビ、ヤゴ、カエルなどの⽣態系を維持するのが難しくなってしまいました。そこで、2025年11⽉から2026年2⽉まで⽬黒区道路公園課協力のもとで改修⼯事を⾏いました。改修⼯事を進めるにあたり、⼯事前に池の⽔を全て排⽔しなければならず、⽬黒サンクチュアリーズは、それまで⼈⼯池に⽣息していたメダカなどの⽣物を⼀旦⽔槽に移し避難させました。また、池の周囲と内部にある植物も移動しました。動植物の移動後には大量の泥と砂利を掻き出し改修工事に備えました。
2026年2⽉末に改修⼯事が終了すると、⽬黒サンクチュアリーズは、ビオトープの再⽣に取り組みました。⼈⼯池に掻き出した泥と砂利を戻し、⼈⼯池のコンクリートの縁には草地を作るために⼟を盛り、移動しておいた植物を戻します。植物を固定するためのネットには椰⼦素材のネットを使い、留め具は⽵でひとつひとつ⼿作りするなど、⾃然素材にこだわりました。人工池のコンクリートの縁を植物で覆うことで小動物の住処になり、太陽熱を吸収する効果も期待できます。避難させていた生物も戻しました。



「サンクチュアリー=聖域」ビオトープに込めた思い


代表を務める松尾啓太さんは、高校時代は生物班に所属し、社会人になってからも区内の動植物の観察を続けられ、4年ほど前から目黒サンクチュアリーズの活動に携わるようになりました。
新しくなった人工池に水が引かれた2日後に、池の中にヒキガエルを発見しました。「池に水が張られると、すぐに戻ってきました。確認できた時は本当にうれしかったですね。産卵の前に改修工事が終わってほっとしました。」その時の様子を語る松尾さんは、まるで”我が子の成長を喜ぶ親”のような慈愛に満ちた眼差しをされていました。人工池のリニューアルから3か月後の5月、池の中にはヒキガエルのオタマジャクシがたくさん泳ぎ、たくさんの生物が育まれていました。
東山公園拡張部のビオトープは、目黒サンクチュアリーズの活動によって、以前と同じ生態系が戻りつつあり、今も⽬黒区の⼤切な「サンクチュアリー=ビオトープ」となっています。
