目を閉じて、鳥のさえずりに耳を澄ます
目黒区の駒場野公園で行われた『森のいきもの発見隊』に参加しました。これは身近な自然やいきものを知って生物多様性について考えようという企画で、目黒区のみどり土木政策課が主催するものです。今回は、冬の公園に生息する野鳥を観察するツアーです。
参加者は親子連れを含め12~13人ほど、鳥の図鑑を手にした子もいて、みんな興味津々です。
最初に、今日の講師である自然観察舎の「おかもっつ」こと岡本解説員から「今日は色々な野鳥に出会えると思いますが、大切なのは鳥の名前を覚えることではなく、野鳥を見つける方法を覚えることです」という説明がありました。鳥によって生活する環境が違うので、そこに目を向けることが大切だというわけでしょう。
次に岡本解説員の指示で10秒間だけ目をつぶってみました。すると、思いがけずさまざまな鳥の鳴き声が聞こえてきます。駒場野公園は住宅地に囲まれ線路も近い公園ですが、こうして意識すると多くの野鳥が生息していることが分かります。
「里地・里山」に生息する野鳥と出会う
さて、いよいよ公園内の野鳥探しに出発です。最初に着いたのは一本の柿の木です。冬の初め、熟しきった柿の実は野鳥たちにとって格好の御馳走です。いくつも鳴き声が聞こえます。ここで観察できたのは尾の長いスズメほどの大きさのエナガ、メジロ、キツツキの仲間のコゲラ。そして野生化したワカケホンセイインコもいました。
次にやってきたのは、公園内の池です。ここではカルガモを見ることができました。春から夏にかけて子ガモを連れた引っ越しが話題となりますが、冬はつがいとなる相手を探す時期です。
次は目黒区に現存する唯一の田んぼ「ケルネル田んぼ」です。今は稲刈りも終わり、水も落とされていますが、それでも残った水たまりは野鳥たちの絶好の水浴びポイントです。
田んぼの脇のやぶからも「カサカサ、ゴソゴソ」と音が聞こえ、鳥の気配を感じます。岡本解説員からは、野鳥は種類によって生息エリアが少しずつ違うので、耳を澄ませて違いを聞きわけましょうという説明がありました。ヒヨドリやシジュウカラが潜んでいるようです。
写真提供・駒場野公園自然観察舎
公園を散策しながら野鳥を見つけ観察していると、あっという間に時間が過ぎていきます。都会の公園にも、多くの野鳥たちが生息していることが分かり、私たちの身近にも魅力的な自然があることを「森のいきもの発見隊」で実感しました(了)。
駒場野公園
目黒区駒場2-19-70
駒場野公園は目黒区の生物多様性保全林に指定されています。公園内の自然観察舎は、季節ごとの自然の写真や観察のポイントなどを展示しています。自然観察やボランティア活動の拠点となり、解説員が常駐しています。