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苔玉のある暮らし―小さな自然とともに―

都会の中で日本の四季を感じる

グリーンスケープスタッフの清水涼子さん
グリーンスケープスタッフの清水涼子さん
目黒川沿いの店舗には、大小さまざまな苔玉が並びます
目黒川沿いの店舗には、大小さまざまな苔玉が並びます

「暮らしの中に、もっと気軽に自然を取り入れたい」そんな願いを叶えてくれるのが、丸くて愛らしい「苔玉」です。

 

中目黒の目黒川沿いにある苔玉と盆栽の専門店「グリーンスケープ(緑景)」は、都会の中でも日本の四季を感じ、緑の景色を楽しんでほしいという思いから、2005年にオープンしました。今回はスタッフの清水涼子さんに、苔玉の魅力についてお話を伺いました。

 

「苔玉の大きな魅力は、まずはこの可愛らしい丸い形です。インテリアに取り入れやすいですし、植物と土と苔だけで成り立っているので、とてもナチュラルなんです」

 

鉢を用意しなくても、家にあるお皿の上にちょこんと置くだけで素敵に飾れます。手軽に楽しめることから、贈り物としても喜ばれているそうです。

 

苔玉は植物の根を粘土質の土で固め、苔で覆っています
苔玉は植物の根を粘土質の土で固め、苔で覆っています
手のひらに載るくらい小さな苔玉もあります
手のひらに載るくらい小さな苔玉もあります
ユニークな形の苔玉も(ガジュマル)
ユニークな形の苔玉も(ガジュマル)

育てる喜びが、毎日を豊かにする

 

小さな苔玉の中には大きな自然が息づいています。 苔は自然界では、水分を保持し、土壌を守り、生態系に多様性をもたらす存在です。「苔玉」は、その特性を活かし、ケヤキやサクラ、モミジなどの木々やパキラやガジュマルといった観葉植物など、さまざまな植物の根を育む土で包み込み、丸い形に仕立てることで、土の流出を防ぎ、乾燥からも守ってくれます。水やりの頻度やお手入れは植物によって異なるため、購入時にはそれぞれのお世話の仕方が書かれたメンテナンスカードが付いています。

 

忙しい毎日の中でふと立ち止まって緑と向き合う時間を持つ。苔玉をお世話をすることで、生活にリズムができたというお客さまもいらっしゃるそうです。

 

「一生もの」として育む苔玉

「グリーンスケープ」では、苔玉を長く楽しむため、購入後のサポートも大切にされています。

1~2年すると植物が成長し、苔玉とのバランスが崩れたり、土が緩んだりすることがありますが、そんな時は「お直し(メンテナンス)」も受けてくれます。

 

「長年、何度もお直ししながら育ててくださるお客様もいらっしゃいます。また苔玉の元気がないという相談を受けることもありますが、それはよく観察しているから気づくことですから、それだけ苔玉を大切にしてくれているんだなと感じます」(清水さん)

 

植物は私たちよりずっと長い寿命を持っています。きちんとメンテナンスすれば、一生ものとして育むことができます。グリーンスケープにはオープンした20年前から通い続けているお客さまもいるとのことです。

 

お部屋にひとつあるだけで、空気がふっと和らぐ苔玉。身近な自然とのふれあいを楽しんでみませんか。

 


グリーンスケープ

https://greenscape.co.jp/

〒153-0051
東京都目黒区上目黒1-18-4 セルジエ102

盆栽づくり、苔玉づくりのワークショップも開催。詳細はHPでご確認ください。