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草ストローでプラスチック削減

代表の大久保夏斗さん
代表の大久保夏斗さん

プラスチック製品の環境への影響は大きく、レジ袋は有料化され、ストローは代替品の開発の取り組みがあります。その流れの中で知った草ストローの販売会社「HAYAMI」を運営する、東京農業大学3年生の大久保夏斗さんにインタービューさせていただきました。

 

ウミガメの鼻にストローが刺さった映像を見たことで、プラスチック製品の環境問題に関心を持った大久保さんが、草ストローの事業を始めることになったストーリーを紹介します。

きっかけは、バックパッカーだったお兄さんから「飛行機の中で出会ったベトナム人留学生に草ストローのことを聞いた」という“みやげ話”からだそうです。「そうなんだ、それ日本でも使えたらいいのにねぇ」で終わるところを、国際食料情報学部 国際農業開発学科で学ぶ大久保さんは、草ストローを日本で販売しよう!と思いついたそうです。

 

 


時はちょうどコロナ禍の中、せっかく入学した大学へ通えないとマイナスにとらえるのではなく、オンライン授業は通学時間が自分の時間に変換できたと考え、その時間を販路の開拓に充てたそうです。

ネットで探したビーガン向けの飲食店に、オンラインや電話でアプローチして、飲食店同士のつながりでの紹介もあり、現在全国で200店ほどに販売しています。

 

実際に手にしてみると(“口にしてみると”)、天然素材のやさしい色で、口当たりも柔らかでした。

 

 

水分を含むと耐久性が高くなります
水分を含むと耐久性が高くなります

原料のレピロニアという植物は、ベトナムでは籠やバッグなどの手工芸品の材料に使われており、コロナ禍でみやげものの需要が減ってしまったところ、草ストローに利用することで、現地の雇用創出にもなっているそうです。

また、ベトナムにはVACシステム(※)という循環型農業の考え方があり、化学肥料を使わない(使いたくても経済的に難しい)などの草ストロー事業のバックボーンとなっているようです。

 

 

草ストローはホーチミン郊外の農村で製造されています
草ストローはホーチミン郊外の農村で製造されています

大久保さんにインタビューをしていて、大学3年生とは思えないほど、環境問題について考えている、学んでいるなぁと(20代の子どもを持つ身として)感じました。

草ストローをきっかけに、将来を担う若い世代にも、大久保さんのように環境問題に関心を持って行動してもらえたらと感じました。

区内の飲食店でも、このようなストローが使用されるようになると、いいですね。

 

 

道端の草と同じで自然なサイクルで分解できます
道端の草と同じで自然なサイクルで分解できます

オンラインでインタビューしました
オンラインでインタビューしました

☆お子さんを持つ、この記事を読んだ人へ伝えたいこと。若者よ視野を広げましょう、出会いは大事。旅に出よう!☆


HAYAMIの草ストロー HP: https://www.hayamigrassstraw.com/

 

※VAC とはベトナム語の Vuon(菜園,Vegetation)、Ao(養殖池,Aquaculture)、Chuong(家畜を繫ぐ杭,Cage)の頭文字をとって組み合わせた略語。VAC システムでは、農業生産活動からの残さ物や副産物は何らかの形で循環利用される、有機質資源の有効な循環利用は、生物の多様性と地力を保ち、化学肥料の使用を減少させ、未利用有機質資源の排出を削減し、農村の自然環境保全ができる。

参考:日本国際地域開発学会2009年度秋大会報告 ベトナム紅河デルタ地域における農法の展開 -VACシステムを対象として-

  齋藤修平(東京農業大学大学院), 堀内久太郎(東京農業大学), 三簾久夫(東京農業大学)   https://jasrad.jp/a2009.houkoku/saito.a2009.pdf