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目黒とタケノコ

目黒は昭和のはじめころまで竹林がいたるところにあり、タケノコの栽培が盛んでした。目黒のタケノコの栽培は江戸時代の寛政期(1789年~1801年)に始まったそうです。

すずめのお宿緑地公園
すずめのお宿緑地公園

めぐろ歴史資料館では、昔のタケノコ栽培などに関する資料が展示されています。

右の写真の中で左にある長いノミとクワは「根埋(ねいけ)」で使用する道具です。竹の根はとても深いところにあることがわかります。

手前のカゴは「六角」という、収穫したタケノコを入れるカゴです。

 

この他にも資料館では、目黒という土地で人々がどのような暮らしをしてきたかを分かりやすく紹介しています。

目黒地域でおこなわれたタケノコ栽培法は「目黒式」と呼ばれています。これは、地下の竹の根の中からよいものだけを埋め戻して肥料を施す「根埋(ねいけ)」という独特な作業があり、根の上にしっかりと土を覆いかぶせて栽培していたので、歯ごたえのある、風味の高いタケノコとなったようです。江戸の人々は初物に目がなかったので、春になると競ってタケノコを食べていました。そのためタケノコの値段が高くなり、その時代に贅沢を禁止していた幕府は、農家に堀り出す期間をお彼岸(今の春分あたり)以降に制限していたそうです。

このようにタケノコ栽培が盛んだった目黒ですが、昭和に入り多くの竹林が切り開かれて宅地となり、今では「すずめのお宿緑地公園」などにその面影を残す程度になりました。

目黒区HP「歴史を訪ねて目黒のタケノコ」

 


タケノコのゆで方

 

 

 

 

 

目黒にゆかりが深い「タケノコ」には、定番のタケノコご飯、煮物以外にいろいろな食べ方があります。皮付きのものを1本買って、ゆでるところからチャレンジしてみませんか?

 

「タケノコ」選びのポイント

下のほうに赤いブツブツが多いと、アクも強いといわれています。少ないものを選びましょう。

①タケノコの穂先を斜めに切って皮の部分に切込みを入れます。タケノコがかぶる位に水とひとにぎりの糠(糠が無ければ、生米やとぎ汁で代用)と唐辛子1本を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にしてアクを丁寧に取りながら30分間から1時間ほどゆでます。写真は約1㎏のタケノコを30分間ほど火にかけました。

②火を止めたら、バスタオルと新聞紙に鍋ごと包んでダンボールに入れて密封しておけば余熱で充分に柔らかくなります。コンロについてなくてもOK。また、エネルギーの節約にもなります。

➂②は十分冷めてから水につけておきましょう。温かいうちに水にあてるとアクが残り、タケノコが縮んだり、割れたりすることがあるので注意します。


丸ごと一本使い切り

 

 

 

穂先:柔らかいので、和え物やスープの具に。

 

 

 

 

中央部:炊き込みごはん、炒め物に。

 

 

 

 根元:歯ごたえがあるので、煮物やてんぷらに。


春先に旬を向かえる「タケノコ」の香りと風味を味わってみませんか?