ギリギリまで身を削るアルミ缶
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2022年の国内の飲料用アルミ缶リサイクル率は93%を超え、缶から缶に再利用する水平リサイクル率は70%に上ります。環境に関心のある人でしたら、アルミ缶はリサイクルの優等生であることはご存知のことと思いますが、細かいことが気になる私は一歩踏み込んで、「アルミ缶リサイクル協会」を取材し、アルミ缶を取り巻く最新事情をお聞きしてきました。
アルミは軽量で熱伝導率が高く、さびにくいという特性があります。遮光性と密封性も高く、賞味期限を延長できるメリットがあります。一方で柔らかいので外から力が加わると凹みやすいというデメリットがありますが、ビールや炭酸飲料は内側から圧がかかるので潰れにくいため、アルミ缶が適しているそうです。
アルミ缶はリサイクルのみならず、リデュース(削減)も進んでいます。限りある資源を有効活用しCO₂排出量を削減するため、アルミ缶はどんどん軽量化しています。胴部分のアルミ使用量を減らしたり、缶フタの口径を小さくしたりすることで、1971年に登場した最初の国産缶(350mlのビール缶)と比べると、2021年には重量比で40%も削減しています。
脱プラのため、ペットボトルからアルミ缶へ
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あるとき、MUJIの店舗に行くと、飲料の棚がすべてアルミ缶入りのものになっていました。HPによれば、脱プラを進めるMUJIでは、2021年に飲料ボトルをペットボトルからアルミ缶に変更しています。その理由として、「アルミ缶はリサイクル率が高いこと」「賞味期限が延長できフードロスを削減できること」「各自治体のルールに従って分別すればリサイクルできるルートがあること」を上げています。
アルミ缶をきちんとリサイクルルートに乗せるためには、どのような状態で出せばいいのでしょうか。汚れが残っていたらどうなるのか、また、アルミボトル缶のキャップの裏はプラスチックの部分もあり、リサイクルに出していいのかが気になります。
アルミ缶をリサイクルに出すときは
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「アルミ缶リサイクル協会」によれば、リサイクル時は「焙焼」という工程で、缶の表面塗料とともに燃えてなくなってしまうので、キャップにプラスチックが付いていてもリサイクルできます。自動販売機脇の回収ボックスには汚れたものも入っていますが、こちらもこの工程で除去できます。ただし、たばこなどの固形物は取り除いてくださいとのことでした。
また、アルミ缶は潰した方がよいのか、そのままでよいのかも気になっていました。こちらは、完全にぺしゃんこにしてしまうと、圧縮して一塊にする際にうまくまとまらないそうです。ちなみに目黒区は「潰さなくてよい」とのことです。
原料は100%輸入に頼っているアルミニウム。今回の取材を通じて、これからもしっかりリサイクルをしていきたいと改めて思いました。