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廃棄りんごを活用した「アップルレザー」を展開する『LOVST TOKYO』

アップサイクルから始まる巡りの良い暮らし

サステナブルなライフスタイルを提案したいと『LOVST TOKYO』を起業した唐沢海斗さん
サステナブルなライフスタイルを提案したいと『LOVST TOKYO』を起業した唐沢海斗さん

目黒区目黒にある『LOVST TOKYO』(ラヴィストトーキョー)は、「アップサイクルから始まる巡りの良い暮らし」をコンセプトに、廃棄りんごから生まれたアップルレザーをはじめ、植物由来のレザーアイテムを展開しています。

 

アップルレザーは、りんごジュースを作るときに発生する搾りかすを乾燥、粉末にして樹脂と合成しています。3年前、唐沢海斗さんが『LOVST TOKYO』を立ち上げたときは、国産のアップルレザーがなくイタリアから輸入していましたが、日本に輸送する際に排出するCO₂を考えると国産のものを使いたいと考えていました。

 

「日本でもりんごの絞りかすは産業廃棄物になっていると聞いていたのでいつかはと思っていたところ、ふとしたご縁で青森県の県庁から話が舞い込んできました」

 

青森県の「JAアオレン」((青森県農村工業農業連合組合)では年間約6000トンの搾りかすを廃棄していました。「有効活用できないか」と相談を受けた唐沢さんはレザーメーカーとつなぎ、一部を原料に活用したアップルレザーを開発し、今年から製品に採用しています。

 

 


脱炭素の未来のために

 

国産のアップルレザーを使用することで輸送の際のCO₂を削減したように、『LOVST TOKYO』では、脱炭素を意識したものづくりを行っています。材料に廃棄りんごを活用することで、石油由来の原料の使用量を削減しています。流通段階でのごみやプラスチックの排出を減らすため、一部の商品タグにはシードペーパー(植物の種が練り込まれた紙)を使用し、ギフトパッケージの中にはバナナペーパー(廃棄されてしまうオーガニックバナナの茎から取れる繊維を使用した紙)を使用したものもあります。

また、製品アイテムごとに、原材料調達から加工、廃棄までの全過程で出るCO₂排出量を示す「カーボンフットプリント」を算出し、HPで公開しています。

 

唐沢さんは、動物由来の原料を使用しないアップルレザーは、動物にも地球環境にも配慮したレザーと言います。

「牛革など動物性のレザーは、畜産由来のものです。畜産業は環境負荷が大きく、世界の温室効果ガス排出量のうち約14%(※1)は畜産業によるものといわれます。動物性のレザー製品とアップルレザー製のリュックサックのCO₂排出量を比較すると、アップルレザー製は58%(※2)も少ないんです」

 

※1国連食糧農業機関(FAO)の報告 ※2商品やサービスの排出CO₂相当量の削減率を可視化したデカボスコアにより算出

 

 環境のことを考えると、ものを買うときに「商品の製造段階で地球環境にダメージを与えていないか」、「買うことが大量生産、大量消費、大量廃棄につながらないか」が気になります。バッグなどのレザーアイテムを購入するときに「かわいいから」「デザインが気に入ったから」という理由に加え、素材はアップルレザーのものを選択することは環境負荷を抑えることにつながります。

 


■LOVST TOKYO(ラヴィストトーキョー)

〒153-0063 東京都目黒区目黒2-11-3 IMPACT HUB TOKYO

https://lovst-tokyo.com/

 

 

 植物由来のレザーはヴィーガンレザーともいわれます。軽量で水に強いのが特徴です。LOVST TOKYOで一番人気の「アップルリュック」は国産アップルレザーを使用しています。カラーはブラックとホワイト。26,400円