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目黒区を拠点に活動するフードバンク「ネイバーフード」

コンパクトで地域に根差したフードバンク

ネイバーフード代表の横田侑子さん
ネイバーフード代表の横田侑子さん

 

目黒区を拠点に活動する「ネイバーフード」は、近隣の住民や事業者から食品ロスとなる食品の寄付を募り、食べ物に困ったときに誰もが食品を受取れる環境を作ることを目標にしています。

 

代表の横田侑子さんは大学で食の社会学を学び、国内のフードバンクにインターンとして参加する中で、コンパクトで地域に根差したフードバンクの必要性を感じたといいます。

 

「大規模で組織的なフードバンクは少人数では運営できませんし、食品を大量に長距離移動させて持ってくると、より多くのエネルギーコストがかかり、保管スペースも確保しなければなりません。コンパクトでミニマムに運営できるフードバンクが地域に点在すれば、食品の受け入れも配布も増えるのではないかと考えました」

 

2020年、横田さんは仲間とネイバーフードを立ち上げると、食品ロスになりそうな食品の寄付を区内の食品メーカーに呼びかけました。国内では食品リサイクル法により、食品関連事業者には高い削減目標が掲げられています。食品メーカーからは「年単位で生産を調整し、賞味期限が短いものは訳あり品として販売するルートを確立した。食品ロスはほとんど出していない」との回答でした。

 

家庭の食品ロスを防ぎ、有効活用する

 

「私たちが目指すミニマムで持続可能なフードバンクにとっては、食品メーカーから同一商品を大量にご寄付いただくよりも、個人から少量多品種をご寄付いただくほうが安定的ではないか。普及啓発を含めて多くの人に広く呼び掛けるために、自治会など地域の団体との連携を進めるほうがよいのではないかと考え、これまでに3団体と連携を始めました」

 

国内の家庭からの食品ロスは、令和元年は約261万t、令和2年は約247万tと減少傾向とはいえ、まだ多いのが実情です。身近な場所にフードバンクがあれば、食品を捨てることなく活用してもらうことができます。

 

横田さんたちは小規模なフードバンクが「雨後の筍(たけのこ)」のように次々に増えることを目指して、筍をネイバーフードのロゴにしました。筍の産地として知られた目黒区発のミニマムスタイルのフードバンクは、地域で食品ロスを削減し、有効活用する。地域で環境にも優しいサステナブルな循環を生み出しています。

 

地域の団体などから寄付された食品は、オフィス内で保管。配布会は、現在は月に2回のペースで開催している

食品セットを用意し、利用者に配布。配布は予約制で、利用者ごとに時間を区切っている

目黒区の協力を得て、寄付・配布の告知ポスターを区内の掲示板に張り出している

下目黒五丁目自治会が主催したワークショップで、フードバンクについて紹介した



ネイバーフード

目黒区目黒2-11-3 (Impact HUB Tokyo内)

地域に根差し、食べ物に困ったときに、誰もが食品を受け取れる環境を作ることを目標に活動するフードバンク

■食品寄付 オフィスに持ち込み、もしくは送付。

■食品配布 支援が必要な人に無料で配布している。申し込みはHPから、先着順に受け付け、配布予定数に達したら締め切りとなる。

詳細はHPにてご確認ください。

https://sites.google.com/view/neighbourfood/