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老舗の玩具店が取り組む 「トイ・リユース・プロジェクト」

自由が丘で愛され続けた老舗おもちゃ屋さんの一味違ったリユースの試み

お話をお聞きした、マミー社長吉田夏子さん
お話をお聞きした、マミー社長吉田夏子さん

おもちゃのマミーは、自由が丘駅南口に店舗を構える玩具店です。

創業は昭和42年ということで、地域で長年に渡って親しまれてきたおもちゃ屋さんです。

ここで、今は遊ばなくなったけれど、まだまだ使えるおもちゃを次の子どもたちに伝えるというユニークな取り組みを行っていることを知り、ぜひともお話を伺いたいと社長の吉田夏子さんを訪ねました。

「おもちゃのマミ―」ホームページ

「トイ・リユース・プロジェクト」ホームページ


まだ使えるおもちゃを次の子どもたちへ繋げる

「実は昨日も大量の持ち込みがありまして・・・まだ整理の途中なんですよ」

 

吉田社長のお話は、昨日持ち込まれたおもちゃのことから始まりました。

「おもちゃの受け入れは、基本的に店の営業時間であればいつでも対応します。とはいっても、大量の場合は事前に連絡してくれることが多いです。ぬいぐるみなどは消毒できないのでお断りしています」

持ち込まれたおもちゃはすべて消毒しているそうですが、それだけではありません。

「うちはおもちゃの病院も開いておりますので、もし壊れていればドクターに修理をお願いしています。ただし、まだ使えるおもちゃを次の子どもたちへ繋いでいくというのがプロジェクトの趣旨ですから、手直しのできない状態の破損・汚れのあるものは受け入れをお断りしています」

持ち込まれたばかりのおもちゃ
持ち込まれたばかりのおもちゃ
箱いっぱいに入っています
箱いっぱいに入っています

回収したおもちゃを販売して売り上げを寄付するスタイルに

回収したおもちゃは、きれいにラッピングして、ゴールデンウイークのスイーツフェスタ、5月末のマリクレールまつり、10月の自由が丘女神まつりといった地域のイベントで販売します。

「売り上げは、南口商店街からも幾らか加えて全額を区に寄付しています。当初は回収したおもちゃの現物を寄贈していたのですが、段ボール箱20~30箱にもなり、寄贈品のリストが必要だったりして手続きが煩雑なので、このやり方に落ち着きました」

販売用に修理し、ラッピングされています
販売用に修理し、ラッピングされています

込めた思いは、おもちゃを買えない子どもたちへのクリスマスプレゼント

この「トイ・リユース・プロジェクト」、どのようなきっかけで始まったのでしょうか。

「実は、新卒で採用した社員の提案です。その社員は学生の頃から女神まつりなどのイベントに関わっていたのですが、会社としてもっと積極的に社会貢献に取り組む方法はないかと考え、このプロジェクトを提案しました」

吉田社長は、すぐにその提案を採用し「トイ・リユース・プロジェクト」を立ち上げました。

「私には一つの思いがありまして、以前、店に遊びに来る兄妹がいたのですが、ふたりとも養護施設で暮らしている子でした。当然、おもちゃなど買ってもらえず、店頭に置いてあるおもちゃで遊んでいくのですが、そうした子どもたちに、クリスマスの時などにおもちゃが届いて、ひと時だけでもほっこりした気持ちになってくれればいいなと思っていたのです。お話ししたように現物の寄贈は叶いませんでしたが、区にはこうした思いをくみ取って寄付を生かしてほしいと頼んでいます」

地域と環境に貢献する大人の姿勢を学生たちに見せていきたい

自由が丘にある産業能率大学では、自由が丘商店街が実施するイベントの場で、学生が企画、運営に携わる「自由が丘イベントコラボレーション」という授業があります。

吉田社長もこの授業に参加し、地域活性化のため、学生たちと一緒にイベントを作りあげています。

授業は2年生が履修しますが、履修後は「エンタテイメントラボ」というサークルに残り、ボランティアとして参加をしています。

毎年多くの学生がこの授業やサークル活動を通してマミーと関わり、自由が丘を盛り上げてくれているのです。

トイ・リユース・プロジェクトは売り上げを寄付するだけでなく、回収したおもちゃのメンテナンスや消毒、人件費などはマミーが負担しています。

「私たちの商売は地域のお客様に支えられて成り立つわけですから、少しでも自由が丘のために貢献したいという思いでやっています。それと、イベントなどで関わった学生たちには、資源の循環を通じて環境問題にも取り組む大人の姿勢を示したいという意味も込めています」

そのためにも、自分たちができる範囲を見極めつつ、この先も長く活動を続けていきたいと語る吉田社長でした。